キイココール

ハミージャの息子さん

あえて今日のトップニュースのこれを持ってくる。
会場で声をかけてくれた男の子が英語が達者だった。でも、私と同じように「仏語は聞き取れても、話そうとすると英語が出てくる」人だった。だから、私は仏語で話をし、彼は英語で話をしていた。

もう終わりかなあって思いつつ、彼に今日のことや青年の家のことを色々尋ねていたら、突然会場にいる子どもたちから
キーコ!キーコ!キーコ!
声があがる。ぽっかーんってなキイコ。何がなんだか分かっていない。「何?私何かするの?」動揺しすぎて彼の英語の「紹介」って言葉しか聞き取れなかった。会場にいるハッサン・イジェルガニーは心配して、「壇上に上がって。」と言う。ナジュワは爆笑。子どもたちは私が壇上に上がるまでキイココールを止めない。
上がって分かった。途中から、子ども会議がクイズ大会に変わっていたけど、その表彰式が始まっていて、私は1位の子に表彰状を渡す役目をおおせつかったのだ。なーーーーんだ。思わず出た言葉は「コングラチュレーション!」英語じゃん。分からないよね、ごめんね。それでも無事に仕事を果たせた。
その後は会場に来ていた各学校の教師陣がプレゼンター役を果たしていた。それを見て、「あーすればよかったのか〜。」なんて、ようやくすべてが見えた。せめて2番目にさせてほしかった。でも、自称ブールメンのアイドル、キイコ。やっぱり、1番目かな。
落ち着いたら嬉しさがこみ上げてきた。というのは、会場にいる子どもたちが揃って「キイコ」と言ってくれたんだなあって思うと、たまらなくなる。日ごろは道端で面白半分でキイコって言われているように感じることもあった。でも、今日は違った。みんなが私の登場を楽しみにしてくれた。あんなに数多くの子どもたちから登場を待たれたのは人生で初めてのことだ。これってすごいことだと思った。
キイコはみんなの生活に色を添えられているのかな。何ができているってわけじゃないけど、でも、キイコを待ってくれる子どもがいるんだから、私はもっともっと子どもたちと握手やブシュをしなきゃ。
そもそも、自分が子どものときに、あこがれのお姉さんやお兄さんがそばにいただけで、ドキドキして、その日一日がスペシャルに思われたものだ。今、私は、あのときのお姉さんやお兄さんなのだ。ブールメンの小学生1000人の子どもたち全員と握手するのは難しいけど、できる限り、たくさんの子の手を握って、彼らがその日一日ハッピーな気分になってくれたら、そんな素晴らしいことはないのかもしれない。私の人生でこんなに多くの人の気持ちを変えられるのは、このブールメン生活を逃したらもうないかもしれない。がんばろう、キイコ。