市長の家に行っちゃった

うめ

午前中の仕事が終わって、スークで買い物をしていると市長に会った。会うたびにご挨拶はしているのだが、「妻がきみに会いたいと言っているんですよ。よかったら遊びに来ませんか。」と誘われ、お宅訪問。あまりに突然で、よく分からないままお邪魔する。いやあ驚いた。
市長の家がどこかってのはもともと知っていた。お家は決して新しいものではないけれど、キュイジーヌは白ですっきりしていて、ヨーロッパのお家みたいだった。サロンは今まで見てきたものの中で一番大きかった。何もかもに驚くキイコ。一番驚いたのがその庭。学校くらいの広さがあった。たくさんの野花が咲き乱れ、なんだか、そこは別世界だった。
奥さんはメクネスのご出身。上品な方だった。フランス語を使ってくれるので、すごくありがたい。一緒にハマムへ行きましょう、一緒にメクネスへ行きましょう、毎日遊びにいらっしゃい、と、たくさんのことに誘って頂いた。
市長には一人娘がいて、とってもおとなしい。ご夫婦ともに、彼女の内気な性格を心配しているが、すごくかわいがっていることは短い時間でもよく伝わってきた。彼女にお庭を案内してもらったけど、あまりに無口で、私一人で「ここで寝たくなるね。」「ここは春だよ。」と、ずっとしゃべり続けていた。
市長は4年ごとに場所を変えなければならない。今1年半が経ったそうだ。お昼を一緒にどうぞ、って言ってくれたのだが、ハッサン・イジェルガニーのお家に行くことになっていたので、とっても残念だったけどお断りした。手作りお菓子をおみやげに頂いて帰ってきた。

本当に居心地のよいお家でまた遊びに行きたいって本当に思う。
ただし、問題がある。ナジュワの家の左隣がハッサン・イジェルガニー家。2軒の真向かいが市長宅。この3軒皆から「毎日おいで。」と言われている。さてさて、どうしたもんか。