寒いのはここ

仕事帰りナジュワにばったり。ナジュワは自分の教え子のアヤを家に送り届けている途中だった。というのもアヤの母親は、ダンナさんから一人で外出することを許されていないからナジュワがこうやって手伝ってあげている。
「週末ラバトに行ってきたの。」
「暖かかった?」
「もちろん。でもさ、私以外の人はラバトが寒いなんて言うのよ。フェズに暮らす人はフェズが寒い、メクネスに暮らす人はメクネスが寒い、ラバトに暮らす人はラバトが寒い、って言うの。」
「本当?おかしいよ。みんなブールメンに来るべきね。ここに来たら、他のところを寒いなんて言わないよね。」
「そうよね、ブールメンに来たら本当の寒さが分かるよね。」
遠くの親戚より、、?私の一番の気がかりは活動うんぬんよりも寒さ。その寒さを一緒に味わっているここの人たちとの関係がどんどん深まっていくのは当然かな。みんながいるから寒さも笑い飛ばせる。