キイコの噂

顔見知りの中学生が「父からあなたに失礼なことをした人がいると聞きました。僕達のことですか。」と心配そうに声をかけてきた。先々週のトラブルが少しずつ噂になっているんだなあって実感。彼は、「もしかして、僕はいつの間にかキイコに失礼なことをしていたのか?」と気にしてくれていたようだ。なんていい子なんだ。彼はいつも爽やかに「ボンジュール!」「サリューキイコ!」と声をかけてくれる稀有な中学生。まるで心のオアシスのような存在。しかもイケメン!「きみじゃないよ!私はきみのことが大好きだよ。」と言うと「ありがとう、キイコ。」。どこまでも爽やかだ。
先々週のトラブルとは。夕方18時30分、アントニオに会うために、青年の家に行く。青年の家の前で、いつも会うたびに私に声をかけ、からかってくる嫌な高校生に遭遇。うざいから無視をする。でも、あまりにひどいのでつい文句を言ってしまう。すると、彼は友達を連れて5人で私のあとを追って青年の家に入ってきた。アントニオがいたらよかったのだけど、あいにく彼はいない。危険を感じて私はすぐに外に出ようとした。高校生は壁に隠れながら、何度も何度もからかいの言葉をかけてきた。腹も立つし、恐怖も感じる。青年の家は壁で囲まれていて、中で何が起こっているか外から人には気付かれにくい。なんとか一人だけ写真を撮って、それを大家さんのモハメッドに見せた。ひどい画像なのに、それでもせまいブールメン、大家さんはその子が分かった。その子の父親と話をし、その子とも話をし、他の4人を見つけてきた。大家さんがそれぞれの父親で話をしてくれた。
このついでに、毎回会うたびに私に近づいて「シノワ」「シノイヤ」と憎たらしく言う中学生のことも大家さんに話をした。その子の名前が分からないので「隣のヲリッドの友達」と言ったら、やっぱり大家さんはその子とその父親とコンタクトを取ってくれた。まるで父親のような大家さんだ。
噂が広まりだした最近、からかいの言葉は減っている。でも消えることはない。今はストレス発散したばかりで、ちょっとしたことには耐えられるけど、また大きなことがあったら嫌なので、外に出るのを控えている。