ダリジャとフランス語

ナジュワの家でカサブランカ在住のモロッコ人男性に会う。私が「仏語だったら少しだけ話せます。」って言ったら喜んでくれた。彼は弟さんとチャットをしている最中だった。ちらっと覗かせてもらったらフランス語でやり取りしていた。「ご家族とも仏語で話をするのですか。」「ああ、そうだよ。私達家族のルーツはベルベル人でアラブ人ではない。だからアラビア語ではなく、フランス語を使っているんだ。もちろんアラビア語ベルベル語も知っているよ。」ほ〜。ベルベル人だからアラビア語を避けているのか〜。
ベルベル人ってのは、モロッコ先住民族。アラブ人がモロッコに入ってきて、ダリジャ<モロッコアラビア語>が生まれた。それまではベルベル語だけだったはず。今でもベルベル語を使う人は多い。このブールメンはもともとはベルベル人の町なのでベルベル語を使って生活している人はかなりいるはず。昨日、学校で1年生に「アージー<おいで>」とダリジャで言った。でも、その子は全然分からなかった。教師に聞いたら「彼はベルベル語しかまだ分からないんだ。」学校生活でダリジャが分かるようになる。それと同時にアラビア語、フランス語を習得していく。
ベルベル人はモロッコ全土にちらばっているのだが、それぞれ言葉が違って、ベルベル人同士でも、ベルベル語でのやり取りができないそうだ。ブールメンのベルベル語を北の方、例えばシャウエン方面で使っても全然通じない。
ダリジャより仏語を優先するモロッコ人がいるってのは聞いたことがあるけど、今日会った人との会話でどうして仏語を選んでいるのか、一部の考えが分かった。もちろん彼の意見はごく一部。フランスに憧れて、フランス語を家族、友達と使う若者がいることも事実。